写真を撮影した人物が誰なのかを特定したいので鑑定して欲しい

 

 

依頼内容:写真を撮影した人物が誰であるのかを手持ちの1枚の写真のみから特定して欲しい。

解析結果:お預かりした写真を鑑定した結果、確実な同一性の証明はできないもののある程度の特定は出来ることになりました。

 

今回のご依頼は、ご依頼者様のお手元に1枚のとある写真があり、その写真を誰が撮影したのかを写真のみから鑑定し判断して欲しいとの内容であり、一見して簡単そうに見えて実は状況次第ではかなり難しいご相談になりますので、こちらの鑑定結果は全て写真のみに依存する形になります。

そもそも、1枚の写真から誰が撮影した写真であるのかを特定すること自体が通常は出来にくいことであり、例えばデジタルデータであれば、写真の内部情報を見れば、そこに撮影者の手がかりが残っていることもあるのですが、単純にカメラ情報しか記録されていないことの方が多くなります。

撮影したカメラを疑わしき人が持っていても、それで同一人物である証明を行う事は出来ません。

その為、写真を誰が撮影したのかを特定する場合は、お預かりした写真そのものを鑑定して、その写真に記録されている背景等に撮影者の手がかりが残っていないかを鑑定する事になりますので、それが全く無い場合は残念ながら誰が撮影したのかが分からないと言った結果になります。

お預かりした写真を鑑定してみると、今回のケースで言えば、ある程度撮影者の記録が写真の中に残されており、これがどのようなことかと言えば、撮影者がカメラを持って何かを撮影する様子が背景などに映り込む、反射している、そう言った状況で手がかりが残されることがあるのです。

何かを反射するような性質がある物質が写真の中に記録されていないかを確認していくことになり、今回の写真で言えば、写真に記録されている人の目の反射、背景に記録されている花瓶への反射、天気予報が放送されているテレビの画面への反射、カーテン越しの窓ガラスへの反射等を重点的に鑑定していくことになります。

その結果、人の眼には室内の電灯の反射飲みが強く残されており、撮影者の情報は確認できませんでしたが、天気予報が放送されているテレビの画面に微かに光の反射とともに撮影をした人物の姿が残されていたことが分かり、そちらについて鮮明化などの処理を行いました。

ただし、反射による微かな映り込みになることや角度的な問題から、100%を証明する鑑定書の作成は難しい状態であったとは言え、ご依頼者様が知っている人物であり、後は話し合いによって解決をするとのことでしたので、特に鑑定書を必要とすることなく無事に解決することが出来た事案です。

意外な話かもしれませんが、写真の解像度が高い場合は、人の眼球に撮影者が記録されていることもあります。ただし、解像度が低い場合、ピンぼけなどが酷い場合はその可能性は見込めませんので、写真を撮影した人物を鑑定する場合、常に解像度に依存するものであると思っておいても良いかもしれません。